有権者の判断いかに  訴え佳境本音もポロリ 

神戸新聞 2007/07/28   

 

 参院選の投開票日まであと一日に迫り、兵庫選挙区の各立候補者の訴えもラストスパ ートに入った。得意な政策を掲げてのアピール、舌鋒鋭い他党への批判のほか、なりふりかまわぬ本音も。公示以降の街頭で、演説会で、印象的な言葉を拾い集めた。

 自民党現職の鴻池祥肇候補(66)は、参院選改革の必要性を主張。「衆議院は焼けたフライパンの上でひよこが走り回っている感じで、ばたばたと決める。参議院は(そうではなく)再考の府だ」(13日、JR尼崎駅前)

 民主党に対しては皮肉たっぷりに“叱咤激励”。「二大政党のパートナーなんだから、しっかりしてもらえないと困る。それが、労働組合政党に落ちぶれている」(25日、三田市内)

 改憲阻止を目指す政治団体「9条ネット」公認の諸派新人原和美候補(57)。「空気のようになってしまった平和。でも、それは憲法9条で守られていることを噛みしめなければなりません」(19日、JR芦屋駅前)

 安倍政権に対しては、「『戦後レジームからの脱却』だとか、カタカナ言葉で訳のわからないことを言ってますけど、本当はすごく怖いこと」(22日、西宮市内)と批判を強める。

 子育て世代をアピールする共産新人の堀内照文候補(34)は、一歳九ヶ月の長男を抱き上げるポスターを指さし、「息子と一緒に出ています」(21日、尼崎市内)

 客待ちのタクシーが並んでいるのを見ながら、規制緩和で低賃金や長時間労働が横行していると指摘。法改正に賛成した与党と民主党を批判し、「安全安心を壊す規制緩和の見直しをしなければならない」(12日、地下鉄西神中央駅前)

 期間中には台風4号の襲来も。民主現職の辻泰弘候補(51)は「雨が降っても風が吹いても、やりが降ってもという決意だ。もちろん自民党から横やりがはいっても」(15日、神戸市内)

 「胃酸過多なら治るでしょうが、情報過多というのは薬がない。飛ばしすぎて、のどがこないになってしまいました。推薦をいただいている医師連盟に薬をもらわなあかん」(同)。がらがら声もアピールした。

 無所属新人の西田幸光(49)は「主権在官を転覆する序曲が兵庫で始まった。(私が住む大津市の)琵琶湖から神戸港に向けて民主化の波が押し寄せる」(12日、県庁前)と報道陣に語った。