「退職金返納も可能」 兵庫労働局不正経理で厚労相 

 神戸新聞 2005/04/01 
 

 厚生労働省兵庫労働局の不正経理事件で、詐欺罪などで神戸地検に起訴された同局の職員二人の上司だった元職業安定課長(60)=現神戸公共職業安定所長=に対し、同省が同課長の定年退職の前日に「停職一カ月」とした懲戒処分をめぐり、尾辻秀久厚生労働相は三十一日、「報告を受けていなかった。退職金の一部返納もできる」などと発言。処分内容がほとんど実態を伴わず不十分との考えを示した。

 参議院厚生労働委で、民主党の辻泰弘議員(兵庫)の質問に答えた。

 同局では二億円を超す裏金づくりが発覚。同課長は停職処分を受けても退職金は全額、支給される。これについて尾辻厚労相は「軽すぎるという印象を持った。退職金や給与の一部を自主的に返納することはできる」と述べた上、「大変申し訳なかった」と謝罪した。

 辻議員はさらに同労働局の一連の不正経理に関する厚労省の調査が予定より遅れていることに触れ、「調査結果が出ていないのに、何を根拠に処分を決められるのか」と追及。これに対し尾辻厚労相は「三十一日昼までこの処分について報告を受けていなかった」などと釈明した。